風流

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 道は思ったよりも混んでいた。この中のどのくらいの人が、自分の心の欲するままに生きているだろうか。息子と同じように、抑えきれない好奇心を持って道をいく人はどれくらいいるのだろうか。  やがて目的地に着くと、整理員が駐車場へ誘導している。 「わざわざご苦労さま」  混雑している駐車場に車を入れながら、つぶやく。整理員が必要なほど人気とは、光る虫を見たいという物好きは結構いるようだ。息子には言えないが、私は家でテレビでも見ていたい。  車を降りると、駐車場の出入り口から順に立て札が立っている。そこにある矢印にしたがって進めというのだ。手間がかかっている。準備にはずいぶん時間と人が必要だったろう。  途中、「この活動にご支援を」という大きな看板があり、数人の大人が立っていた。募金箱が机の上に置いてある。綺麗な水が必要なホタルは年々数が減っていて、放流するホタルを育てるのも大変だそうだ。 「よろしくお願いします」  と口を揃えて言うその人たちに、適当にあいづちを打って通り過ぎる。なんでもこの鑑賞会は「ホタルを守る会」なるものが運営しているらしい。
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