よれよれのシャツ

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よれよれのシャツ

 助けてくれた人を探すため、火曜日も同じ時間に駅に行った。  人が多い地下鉄のホームの端から端を歩いて探すけど、見つからない。  もしかしたら、あの人は昨日はたまたま早い時間に乗ったのかもしれない。  そう思って、遅刻になるギリギリの時間までホームにいたけど、やっぱり会えなかった。  そう簡単に会える訳ないか。  そう思っていても会える事を期待していたから、少し落ち込んだ。    会社には本当に遅刻ギリギリで着いた。  更衣室に入ると着替え終わった間宮が「おはようございます」と言って、出て行った。  マズイ。間宮より遅くなってしまった。  いつもは逆なのに。  制服に着替えようと、シャツを取り出してまた落ち込んだ。  シャツがよれよれのままだ。  替えのシャツ持って来るの忘れた。  カーディガンを羽織ればいいか。  見て見ぬふりをしてえいっと着替えて、更衣室を出た。  
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