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少しばかりウザいカエルを仲間に加えてから、俺達はグリードゴブリンがいるとされている洞窟へとたどり着いた。
洞窟内は薄暗く、入った瞬間からモンスターの気配が凄く、少し奥へ進めばすぐに鉢合わせる事になるだろう。
並みの冒険者ならば、この洞窟の最深部に到達する前にリタイアになると考えられる。
しかし、魔王軍幹部との戦闘時にその強さがはっきりした特性【全物理攻撃反射】&【全魔法攻撃反射】があれば対して苦ではないのだけれど。
とは言え攻撃が全て反射出来ても、五感はしっかりと残っている為、洞窟内の死体の腐った臭いに耐え続けなければならない。
攻撃よりこっちの方がよっぽどキツイ。
これは一刻も早くグリードゴブリンを討伐し、この洞窟を脱出しないと、俺達の嗅覚が可笑しな事になる。
俺はまだ我慢ができるが、隣に目線を移すとアマガエルが死ぬ三日前のような顔でフリーズを決め込んでいた。
「アマガエル、起きろ。今寝たら死ぬぞ!?」
「ここ、臭すぎるやでぇ~」
限界が来たのか、アマガエルが俺の羽毛の中に潜り込み、顔を出すことがなくなった。
「なにやってんだ?」
「もう限界やでぇ~」
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