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「おはようございます」
「ずいぶん早いね。今日からよろしく」と美歩に微笑したあと和代に「波多野さん」と紹介する。
「聞いた」と和代はうなずく。
「美歩さん。美歩ちゃんでいい? 呼び方」と美歩を見る。
「あ、はい」
「こっちはばあちゃん。ばあちゃんて呼ぶの変だな。なんて呼ぶ?」と和代に聞く。
「そうねぇ、どうしよ」と和代は笑顔のまま首をかしげ、
「店長もアレだし、名字の潮田もなんだし、おかみ? おかみさん? マダム?」
「ふざけて」と和代は呆れて「ねぇ」と美歩にうなずく。
「名前でいいか。なんだっけ名前ばあちゃん。和代だ。和代さんでいい?」
「いいよなんでも」
「じゃあそれで」と勇翔は美歩を見る。
「はい」
「ほんとかわいい子」と和代が改めて美歩を見ると、
「だろ?」と勇翔はうなずく。美歩を見て「まず着替えよっか。場所はこっち」と行きかけると、
「いやらしい。なんてこと言うの」と和代はたしなめる口調で、
「何が。場所教えるだけだろ」
「私がやるよ。こっちね」と美歩に笑いかけて奥に行く。
「はい」と美歩はついて行き、厨房の奥にある更衣室で着替えた。
***
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