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第4章 再会①
「東条さん、おはようございます」
「おお、渡辺、おはよう」
空港で待ち合わせをしていた部下の渡辺と合流した。
渡辺は今回が初めての中国だ。今後は私の代わりに行ってもらう可能性もあるので、出来るだけいろいろと教えたいと思っている。
それに、いつもなら月曜から金曜までの出張だが、今回はスケジュールの都合で土日を挟んでの1週間だ。間に休みがある分、ゆっくりとできる。
さあ、中国に出発だ。
――――中国に到着した私達は迎えの車に乗った。
初めて中国を訪れた渡辺がなにやら隣で騒いでいる。
「うわっ、マジか・・・怖っ・・・」
車のクラクションを鳴らしながら、別車線に割り込もうとする運転手たち。当たるか当たらないかのギリギリまで幅寄せしていく。
明らかに積載量を超えてそうな、荷物を山積みのトラックがあちらこちらに走っている。
「ははは、まあ、初めてだと怖いよな」
「これ、絶対、事故るでしょ?」
「まあ、事故は多いな」
「祈るしかないな・・・」
冗談半分でそんな会話をやり取りしながら、会社に向かった。
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