第2章 帰国前夜

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第2章 帰国前夜

「はあ、やっと終わったあ」 仕事も順調に終わり、明日は帰国だ。  実は今回、先に別件で来ていた岡本という後輩がいる。 彼は、年に何回も技術指導に来ており、中国に関しては私よりもかなりのベテランだ。岡本は妻子がいるが、なんと中国にも彼女がいると聞き本当に驚いた。  安西も彼女がいるらしい。先日、彼の隣に座っていた子だ。 他の駐在員も、半分ぐらいはそれらしい人がいるとの話であった。中には、結婚した者もいる。 (おいおい、どうなってんだ、こっちの奴等は。本当に仕事してんのか?) (俺もこっちで結婚相手でも見つけようか・・・)   「おい、岡本。今日、お前の彼女のところに飲みに行こうよ」   「あ、いいですよ。同伴する予定なんで、飯食った後で合流しましょう」   「合流しなくても、彼女も一緒に飯食おうよ」   「じゃあ、彼女に電話してみます」   「・・・なんか、会ったことも無い人と一緒に食べるのは恥ずかしいから嫌みたいです」 「あっ、そう・・・」 結局、岡本と二人で晩飯を食べ、彼女のいるクラブへ向かった。 「ん?ここってこの前来たクラブか?」 「そうですよ。行きましょう」  クラブに入るなり、一人の小姐が来て岡本と一緒にボックス席へ向かった。私も後ろから付いていき座席に座った。  チーママかママらしき小姐が来て、指名を聞かれた。   (別に指名は無いが、選ぶのも面倒だし、先日の彼女にするか・・・) あれだけ言わされれば名前は憶えている。(でも、通じるのか?)と思いながら彼女の名前を言った。 「シュウリン」 「わかりました」 (お、通じた)
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