第2章 帰国前夜

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――――しばらくすると彼女がニコニコしながら現れた。 「シュウリン、俺のこと憶えてるか?」 「おぼえてるよー」 「本当かー? じゃあ、俺の名前言ってみてよ」 「トウジョウさん」 (お、合ってる。結構頭良いのかな?)  岡本の彼女は23歳。どこかあどけなさが残っている。私のタイプではないが小柄でなかなかかわいい。 岡本は妻子がありながらこんな子とエッチしているのかと思うとちょっと、いや、かなり羨ましい。  4人で飲み始めたが、岡本と彼女は直ぐに二人の世界へ入ってしまった。 「あなた、結婚してるの?」 シュウリンが聞いてきた。 「してないよ」 「なぜ結婚しないの?女の人嫌い?仕事ばかりしてた?」 「いや、女性は好きだよ」 「女性好きな人、KTV行くよ」 「KTVって?」 「お持ち帰り出来るとこ」 「そうなんだ、ここはお持ち帰りできないの?」   「出来ない。お店終わたあと、コーヒー飲む、マッサージ行くはある。でも、それでバイバイする」 (ほんとかよー。前に座ってる奴、岡本とデキてるじゃん)   「えー、ほんとかー?」   「ほんと。でも、お客さん毎日来る。そして二人好き好きになる。そうなたらそれはお持ち帰りじゃない」 (じゃ、君は・・・) と聞きそうになったが、野暮なことを聞くのは止めた。彼氏がいるかどうかとか聞いても、いないと答えるだろう。これは日本でも同じだ。
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