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第3章 帰国
朝4時30分。目覚まし時計がけたたましく鳴った。
「もうこんな時間か・・・」
昨夜は少し興奮していたのと寝過ごさないようにしないといけないというプレッシャーからほとんど眠れなかった。
岡本はかなり夜遅くに帰ってきたみたいだ。彼を起こさないように静かに帰り支度をして部屋を出た。
――――1階に下りると迎えの車が既に来ていた。運転手に挨拶をして荷物をトランクに捻じ込み、後部座席に乗った。空港までは2時間ほどかかるが、疲れていたのだろう、車中ではほとんど寝てしまっていた。
朝の渋滞に巻き込まれ、空港に到着したのは8時を過ぎていた。急がないと9時発の飛行機に間に合わない。出国手続きを早々と済ませ搭乗ゲートに走った。
(また、1か月後・・・)
離陸した飛行機の中から上海の街を見下ろしながら、そう呟いた。
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