268人が本棚に入れています
本棚に追加
/46ページ
「柏木君、面白いね」
そう言うと、駿は僅かに首を傾げた。
「そうかな? 天文部のやつらには、お前には柔軟さが必要だ、真面目で面白くない、とか言われてるけど」
「あ、やっぱり天文部なんだ?」
「うん。藤田さんは?」
花凛はふるふると首を横に振る。
「私、部活入ってないんだ。学校では自分のクラス以外に世界がないから、それもつまんないなって思ってこの合宿に参加してみたんだけど、外って楽しいね。部活もやってたらよかったなぁ」
「じゃ、うち来れば?」
「え?」
花凛は目を丸くする。そして、何度もまばたきをした。
「うち?」
「天文部。まぁ、全然興味なければ退屈な部活かもしれないけど……」
「今からでも平気? 途中からでも大丈夫かな!?」
部活をやるにあたって、一番心配なことだ。
花凛が食い入るように見つめると、それに圧されたように、駿がコクコクと頷いた。
「全然平気。うちは部員数も多くないし、先輩後輩もあまりないし、はっきり言って緩い」
花凛の心は決まった。
最初のコメントを投稿しよう!