普段通りの生活

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普段通りの生活

「ーーそう、ここまでがカンブリア紀だ。で、ここからオルドビス紀、シルル紀と続いていくんだが…」 ごく平凡でいつもと変わらない授業。なんの刺激もなんの面白みもありやしない。 普段通り高校へ来て、普段通りの授業を受けて普段通りの道で帰る。ただそれだけだ。 なにか、面白い出来事は起きないものか…。 そうだな、いっそこの授業で出たような古生代にでもタイムスリップ出来たらいいのに…。 「……ぃ!……おい、華咲!!!聞こえてるのか!!」 「っ?!はっ、はい!」 「ほら、答えは?」 「え……答え…?」 「ったく。聞いてなかったのか?ディッキンソニアなどが含まれる生物群の名前だ。答えてみろ」 「えと…エディアカラ生物群です」 「正解。ぼーっとするのも程々にしとけよ」 失態を犯してしまった。将来のこともあるし、タイムスリップなんて考えてないで授業に集中しないとな…。 でも、古生代にほんとに人間っていなかったのだろうか? もしかしたら存在した記録が残ってないだけかもしれない。 いたとしたら、どんなだろう。 どんな言葉を、話すのだろう。 何を食べて生きているのだろう。 ーー終業の鐘が鳴り響く。 その瞬間形容しがたい程の睡魔に襲われる。 とても抗うことは出来ない。 俺はそのまま机に頭を伏して闇の中へと意識を溶け込ませた。
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