象?

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象?

「……。」 ようやく記憶がはっきりしてきた。 あまりにも熟睡しすぎたらしい。誰に運ばれたかは知らないが茜色に染まりあがった空が視界いっぱいに広がっている。 …………なぜ空が見えるのだ。 それだけでは無い。よくよく気が付いてみれば俺が寝ている床がのそのそと歩いている気がする。 しかし困った。これほどまでに周りの状況を確かめたくないと思ったのは生まれて此方、初めてかもしれない。これが現実逃避というものなのか。 いや、仕方がないだろう?誰だって自分が寝ている場所が動いて、空が見えるなんて状況信じたくないさ。おまけに乗り心地がいいなんて、ゆっくり歩く大型動物以外に何がある? ここで魔法の絨毯とか訳分からんことを叫ぶほど、俺は現実と空想の区別がつかん訳では無いのだ。 さて、俺の動くベッドがなんなのか、予想しようぞ。俺の知識上このような芸当ができる動物なんてのは象くらいなんだよな。 えっと、俺の高校に象はいたかな…? あぁ、1人居たな。象 出酢夜先生だ。 ……うん、ワンチャン無いね。 やっぱり俺の高校にelephantは居ないな。 で?今の俺はどうだ。乗ってるのは象と思わしきものではないか。 さて、ここで立てられる仮説は2つ。 俺が何故か知らんけどアフリカにいる。 未確認超大型生物が俺の高校に出現した。 以上の2説だろうな。さて、どっちにしろ俺は超絶ピンチなのではなかろうか?今こうして優雅に仰向けになって物思いに耽ているが、よくよく考察してみたら一刻もはやく周りの状況を確認するべきなのではないか? ……いや、見ないでおこう。 まだ眠りたい気分だ……。
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