踏み潰し

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踏み潰し

ゆらりゆらり。なんともいい乗り心地である。 今更だが自己紹介とさせてもらおうか。 俺は曰本の富山県在住の高校生、華咲薫だ。 至って普通の高校生で、今も俺はアフリカで象の上にいるのか、日本に突如現れた超大型生物の上にいるのかどちらかといったよくある状況に陥っている。 ええ、誰がなんと言おうとよくある状況ですね。ふふふふふふふふふふふ。 文句があるならかかってきなさい。 俺のペット(乗ってるやつ)で踏み潰して差し上げよう! ーーあれ? 急に夜になった。つい先程までは目に映るのは綺麗な青空だったのに、今は茶色い空が拡がってる。でもーー ーー夜の空って、茶色か? よく見ると、空がだんだんとこちらに迫って来てるように見える。いや、これは空ではない。 人の…足だ… つまり状況を整理すると、踏み潰して差し上げようとか戯言をほざいた俺が見事に巨人に踏み潰されようとしていると言うわけだ。 これはもしかして、俺死ぬんじゃないか? もしかしなくても、俺死ぬんじゃないか? ……よし、飛び降りよう この結論に至るまでにかかった時間、実に0.1秒である。
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