8人が本棚に入れています
本棚に追加
夢オチ?
しかし不思議だなあ。
ピカイアなるものに乗ってたり、小さくなってたり、意味不明な場所にいたり……
でもある程度冷静でいられるのは、やっぱりこれが夢だと分かっているからだろうね。
ほら、その証拠に頬を本気でつねっても…
痛い。
とてつもなく痛い。
……痛覚あるタイプの夢、もしくは俺が夢の中で自分の頬をつねった瞬間現実で誰かが寝ている俺の頬をつねっているパターン、の2択だね。
他は一切認めません。ええ、認めませんとも。
これが現実?んなアホな…
「なにぼーっとしてんだ?」
「うわっ!?」
いきなり目の前から声をかけられて間抜けな声をあげてしまう。
いやはやどうして、この子の存在を忘れていた。こんなとんでもない森に一人でいる小学生…充分これが夢である要素のひとつではないか。
「君、お父さんやお母さんは?こんなところに1人でいちゃ心配してるだろうに」
「んー?ぱーとまーにあいたいのか?いいぞ!ついてこい!」
そう言い放ってすぐに走っていく少年。
ここにいても埒があかんと踏んだ俺は、すぐさま少年を追いかけて走るのだが…
速い。
とてつもなく速い。
俺、高校のマラソン大会で上学年合わせてもぶっちぎりの1位だったんだがそんな俺が着いていくのも必死…いや、だんだんと離されていくくらい脚が早い。何だこの化け物小学生は。
ふと奥を見ると、森の終わりが崖になっているのが見える。
このままではあの子は落ちてしまう。
やばい、やばい。急げーー。
最初のコメントを投稿しよう!