ケリドウェンの燈油

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ケリドウェンの燈油

前回までの夢の続きから 「まぁ、偉そうに知ったかぶって色々と話しちゃったけど…」 と前回言い終えてから少しばかり間を置くと、男は不意に照れ笑いを浮かべたかと思うと、頭をポリポリと掻くという、これまた義一さんと同じ癖を見せながら口にした。 「『以前は…』って見てきた様に言ったけど、僕自身も耳学問というか、他の人が言ってた事を同じ様に話しただけなんだけど…ね?」 と最後に悪戯っぽく笑うと、男は前触れもなく百八十度くるっと回ると、そのまま先ほどまで立っていた定位置にまで戻って行った。 見慣れた男の笑みを見て、自然と頬を緩めていた私も、その後を何も言わずに付いて行った。 到着してからは、何も言わずとも、隣からナニカからのニヤついてるであろう視線を横にヒシヒシと感じていたのだが、私が戻ったのを確認すると、男は両腰に手を当てて、気持ち胸を張って見せつつ口を開いた。 「…さて、一つの質問には答えた訳だけど…ふふ、まだ他にもある様だから、遠慮なく言ってみてよ?」 「え?…ふふ、そうねぇ…」 と、妙に誇らしげというのか、その堂々とした様子と言い方にまた笑みを零しつつ、勧められるままに、また私は一度室内を見渡した。 と、その様にまた一つ一つを眺めていったのだが、それより何よりも先に、”当然として”目の前についてまず真っ先に興味がいった私は、それをそのまま聞いてみる事にした。 「まぁ…色々あるんだけれど…まずさ?」 と私はここで一旦区切ると、狙ったわけでもないのだが、自然と悪戯含みの笑みを浮かべつつ続けて聞いた。
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