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…なのだが、それをどう言葉にして聞けば良いのかで変に考え迷ってしまい、こうして具体的には、またもや言葉の尻が切れた形となってしまった。
…だが、これが私自身の夢の中という都合の聞く世界…って、いや別に今までも、それほど思い通りになってるとも思えないのだが、まぁしかし、”男”…と、そうまだ呼ばせて頂くが、見た目だけではなく、こうした私の態度に対しての察しの良さまで義一に似ているらしく、男はすぐさまニコッと明るく笑みを浮かべると、
「ふふ、うん、えぇっとねぇ…」
と顎に手を当てつつ頭の中を整理しているのか、中空を眺めつつ考えていたが、考えがまだ纏まらないらしく、顔の表情は苦笑いだったが、しかしふと、先ほどの様に前触れなくツカツカと踵を返して歩き出した。
そんな男の様子を私はただ眺めていただけだったが、男はふと、入り口付近…階段を上がり切った所の所謂踊り場付近、つまりは甕の仕舞われている棚の一番端あたりで立ち止まると、こちらに振り返った。
「またで悪いけど、ちょっとこっちに来てもらえるかな?」
と、先ほどの窓辺りの時の様に、こちらへ手を振ってきたのを見た私は、「あ、うん…」と言われるままに、男が歩いた後をそのまま自分も進んで行った。
…あ、ここはさっき、ナニカが私を見下ろしてきた場所ね
と到着するなり、これといって重要ではない、そんな感想を覚えつつ、チラッとナニカの方を眺めながら感想を持った。
名前が出たので、ついでにと、ナニカがこの間どうしていたのかを話してみよう。
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