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(ああ──心配、かけてるな)
こっそりとため息をついて、帆影は空いている席に座る。
周りの席では、老若男女の客たちが、それぞれの時をゆるりと過ごしていた。
天井から下がる、チューリップ形のガラスのランプをぼぅっと眺めていると、ほどなくして母がモーニングを運んできた。
ころんとした白いティーカップに注がれた、熱々の珈琲。こんがり狐色に焼いたトースト、そしてゆで玉子。
トーストには、たっぷりの粒餡が塗られていた。
「え」
帆影は絶句した。
いや、トーストに餡子は別におかしいことではない。問題はその量だ。
どん、と。
これでもか、というほど山盛りに積み上げられている。
おまけに母は鼻歌交じりに、ミニみつ豆までお盆に乗せて運んできた。
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