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天井から垂れ下がる枝を掻き分けると、通路の奥に、ガラス張りの壁と扉がある。そこから先は、別の部屋が広がっているようだ。
意を決してガラスの扉を開き、更に奥の部屋へと進む。
そして帆影は、両目を大きく見張ることになった。
そこは、明るい温室みたいな空間とは売ってかわって、薄暗い部屋だった。
まず驚いたのが、天井。そこからぶら下がるのは、無数のドライフラワーの花束だ。
(いい、香りだ)
帆影は目を閉じ、すん、と鼻を動かした。
不思議に心地よい芳香がただよってくるのは、これらの植物がハーブだからだろう。
ラベンダー、ピンクローズ、ローズマリー、ヒース、カモミール、ブルーマロウ……まるで天井が一面の花畑だった。
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