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次に目を移したのは、壁一面に並ぶ、飴色の重厚な木製の本棚。中には、装丁の美しい洋書や、古い外国の絵本がきれいに並んでいる。
(ここはブックカフェなんだろうか?)
帆影は首をかしげた。
時間を重ねた色合いのテーブルが、いくつか並んでいる。
それぞれのテーブルの上に飾られているのは、色鮮やかなハーバリウム。そのガラスの瓶が、水晶のように光をきらきらとはじいていた。
カウンターテーブルの奥からは、珈琲と、紅茶と、焼きたてのパウンドケーキの甘く香ばしい香りがただよってくる。
(ここは本当に、日本だろうか)
夢見心地の帆影は、つい、そんな風に感じてしまった。
(知らない国の、知らない時代に、迷いこんだみたいだ)
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