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飛び出した流暢な日本語に、これまた驚かされた。
青年は寝乱れていた金髪を、さらりと片耳にかけ直す。先程のひどく驚愕した表情は、きれいさっぱり消えていた。澄ました様子で微笑する様は、花も霞んでしまうほど。
「あ、いや、客というわけではっ」
そもそも、ここが何の店かすら分かっていない。探偵喫茶とは書いてあったけれども。
あわあわする帆影を青年はじっと見つめ、無邪気な表情で言い放った。
「お前、顔色わっるいね」
「は」
ぴし、と帆影の口もとが引きつった。
一番気にしていることを直球で指摘され、頭を殴られた気分だ。しかも、初対面の相手に対して「お前」とは。
青年は、くすくすと笑った。
「おや。でもよく見ると俺に似てイケメンだ──よっと」
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