一章 フェアリーテイル・ディテクティブ

31/31
前へ
/118ページ
次へ
「あ、あの! ありがとう、おいしかった」 「どういたしまして。今さらだけど、お前、名前は何ていうの?」 「も、本宮帆影」 「帆影ね、いい名前じゃないか。俺は、ピート・フェアリーテイル・ディテクティブ」 「ピート──フェアリーテイル、ディテクティブ?」 「ピートと呼んでくれて差し支えないよ、帆影」  カウンターテーブルにゆったりと頬杖をつき、彼──ピートは、唇で優雅に弧を描いた。 「童話(フェアリーテイル)探偵(・ディテクティブ)──それが俺の仕事。行方知れずの登場人物捜しなら、おまかせを」
/118ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加