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二章 不思議の国のアリス
その時、遠くで──誰かが店の、緑のトンネルをくぐる気配がした。
「おや? さっそくお客様がいらっしゃったようだ」
ピートの言う通り、やがて一人の人物が、探るような足取りで入ってきた。
「……おじゃまします」
ランドセルを背負った少女だ。小学校三年生くらいだろうか。
長いふわふわの髪がお人形のようだ。
白いブラウスに深い藍のジャンパースカートは、地元でお嬢様学校と名高い女子校の制服。服と同じ藍色のベレー帽が、色白の少女によく似合っている。
かわいらしいが、アーチを描くくっきりとした眉と、目力のある瞳が、意志の強さを感じさせた。
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