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どうぞ、と青年は少女にカウンター席に腰かけるよう、うながした。
少女は、帆影の席のすぐそばに臆することなく腰かける。先ほどのピートの「フードのお兄さんは、無視してくれて大丈夫」という言葉に忠実に従っているらしい。
帆影はやや複雑な気持ちになった。
「小さな姫君にお出しするお茶を用意しましょう」
「いらないわ、そんなの。それより早く相談に乗ってちょうだい、急ぎなの」
女の子の高慢な態度にも、ピートはまったくひるまなかった。
「ふふっ、承知しました。ところで姫君、あなたのお名前は? 俺のことは、ピートと呼んでくれれば結構だよ」
「わたしは早見来夢。相談したいのは、これよ」
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