二章 不思議の国のアリス

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 どうぞ、と青年は少女にカウンター席に腰かけるよう、うながした。  少女は、帆影の席のすぐそばに臆することなく腰かける。先ほどのピートの「フードのお兄さんは、無視してくれて大丈夫」という言葉に忠実に従っているらしい。  帆影はやや複雑な気持ちになった。 「小さな姫君にお出しするお茶を用意しましょう」 「いらないわ、そんなの。それより早く相談に乗ってちょうだい、急ぎなの」  女の子の高慢な態度にも、ピートはまったくひるまなかった。 「ふふっ、承知しました。ところで姫君、あなたのお名前は? 俺のことは、ピートと呼んでくれれば結構だよ」 「わたしは早見(はやみ)来夢(らいむ)。相談したいのは、これよ」
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