二章 不思議の国のアリス

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 来夢が身振り手振りで話すのを、ピートはとても優しいまなざしで見つめていた。 (この人、こんな表情もするのか)  帆影は、ピートの新たな一面を垣間見た気がした。  ピートは、少女の話が一段落したところで、質問をした。 「アリスがいなくなったのは、いつのことなのかな?」 「この間の日曜よ。わたし、パパと一緒に『ようきそう』に遊びに行ったの。もちろん絵本も連れて行ったわ。そのとき『ようきそう』の休憩所で、うたた寝しちゃってね。そしたら、アリスが夢の中に出てきたの」 「夢の中で、アリスは何か言ってたかな?」 「うん、えっとね──」  ──安心して。あたしがあんたの願いを叶えるために、冒険に出るわ。
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