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「うーん……」
眉間のしわを指でぐりぐり押さえながら、帆影は何となく隣を見て──ぎょっとした。いつの間にか、来夢がこちらをすごい形相で睨みつけていた。
「ねえ。あんたの考えてること、大体わかるわよ。わたしが言ったこと、全然信じちゃいないでしょ。嘘つきって思ってる」
鋭い指摘に帆影はどきりとした。
「き、君が嘘をついてるとは思ってない」
「じゃあ、わたしの思い込みか妄想だって思ってんだわ」
図星を刺されて、帆影は言葉につまった。それが余計に来夢の怒りに油を注いだ。
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