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「ほら見なさい、だもんだから大人って嫌い。誰もわたしの話を真剣に聞いちゃくれないわ、子どもだからってバカにして!」
「俺は聞くよ、君の話を」
ピートは静かに来夢に語りかける。けれども来夢はムキになって反論した。
「大人が子どもを信じないなら、わたしだって大人を信じてやるもんですかっ」
「──俺は、大人じゃないよ」
そう言ったピートの瞳は、どうしてか深い湖のような悲しみをたたえていた。その瞳に来夢はたじろく。そして自分自身も、くしゃっと泣きそうに顔を歪めた。
「っ、もういい! 帰る!」
叫んで、カウンター席から飛び降りる。
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