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「あ、待って……!」
帆影が止める間もなく、少女は髪をなびかせながら、あっという間に店を出ていってしまった。
額に手を当て、はあ、とピートは嘆息する。
「あーあ。せっかく来てくれたお客様なのに、行っちゃったじゃないか。お前が眉間に皺寄せて難しそうな顔するから」
「あ、う、すまない……そ、そんなに顔に出てたか?」
「出すぎ。顔がバカ正直。それに子どもの観察力、侮るな」
「うう……すみませんでした──あれ?」
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