小さな世界、大きな島

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とある噂をネットで見た。 某プロ野球選手は、学生の時、帰れ、と怒られて本気で帰って監督を驚かせたそうだ。彼は北海道、そして関西と3つの球団を渡り歩き、今もバリバリに活躍している優秀な人だった。私もそんな天才と少し似ているような、破天荒なことをしたのだから優秀な人間になれるのでは、なんて甘いことを想像したが、現実はそんなうまく出来ていない。 「明日の夕方、退職届を書きに来て」 会社から着信があった。たった一言、そう伝えられる。突然の退職。これはまさに戦力外通告。クビ。 こんなに簡単に切られるなんて、私のこの数年はなんだったんだろう、という怒り。 しかし、それを上回ったのは、辞めたくて仕方が無かったブラック企業から離れられた解放感。 今なら空を食べるのではないかってくらい、心も体も軽い。このまま、この解放感に身を任せて、どこか、どこか遠くへ。海の上を飛んで、遠くへ行こう。
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