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ここで一瞬でも彼が躊躇う姿を見せれば、私は適当な理由をつけて別れていたかもしれない。
でもそんな心配する必要全然なかった。
「好きだよ。もう一度結婚するなら英玲奈以外考えられないと思ってる。今日だって…」
そう言って口をつむぐ冬馬に切り出した。
「っ…だ……んしてないの」
言葉が詰まる。
「え?何聞こえない」
「冬馬…まだ離婚してない」
それから時間をかけて今日あったことを話した。
「何だよ、それ。ありえない。みんなして勝手すぎるだろ…それに離婚してないって」
ハァーと深いため息をついて冬馬が手を顔に当てた。
当事者である自分が何も知らされていなかったことはかなりダメージが大きいだろう。
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