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久しぶりに会って出会った頃のことを思い出すと気分が沈んだ。
冬馬が帰った後バタバタと患者さんが訪れ少し忙しくなったものの、気は紛れなくて仕事が終わった後結衣がご飯に付き合ってくれた。
明るめの栗色に染めた髪を内巻きにしてクリクリの目をした結衣は、男性にモテる。
ぶりっ子そうに見える容姿とは正反対に性格はサバサバとしていて付き合いやすい。
同時期に入職したけど、年齢は彼女の方が一つ上だった。
「いやー本当にビックリしたよね」
駅の裏にある居酒屋さんでビールを飲みながら結衣が言った。
「何しに来たのかな、本当に」
「今日実はまた外で待ってるんじゃないかと思ったんだけど、いなかったね」
「今更現れられてもね。目的が分からなくて怖いんだけど」
「じゃあもう会う気はないんだ?」
「向こうが会いに来ない限りわね」
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