桃太郎異聞(加筆修正版)

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 桃太郎が己の摩羅を緩く握ったところ、赤鬼に手首を掴んで止められました。 「わかっておるが、気持ちよくてのぅ」  手遊びし出したら止めるよう言い聞かせておいたのが功を奏してはおりますが、思うままに快感を貪りたい気持ちが強く、つい不満げな顔をしてしまいます。  出会った最初であれば桃太郎のその表情に気後れしたかもしれない鬼たちでしたが、桃太郎の快感に対する貪欲さを知った今となればどこ吹く風です。 「いやらしいヒト。甘露 デナイヨウニ シマショ」  と子供を叱るように言ったかと思うと、赤鬼は桃太郎の股間に伸ばされた片腕を離さないまま、青鬼に顎をしゃくりました。  青鬼は心得たというように頷き、天幕の端へ移動すると、何やら箱を漁り始めました。長持(ながもち)のようですが、見たこともない豪奢な彫りが施されております。もしやあれが噂に聞く鬼の宝箱かと思いましたが、青鬼が中から取り出したのはただの革の紐の束でした。よく見ると、鬼たちが腰巻を留めている革紐と同じもののようです。  革紐を数本ずつ赤鬼と黄鬼に手渡した青鬼は、なぜか喜色を滲ませております。桃太郎の背後に回り込むと、赤鬼から桃太郎の腕を引き継ぎ、ぐいっと後ろに引っ張りました。  これはもしや……と桃太郎が期待した通り、青鬼は桃太郎の両腕を後ろ手に交差させ、持っていた太めの革紐で両の手首を締め上げました。その手つきは機敏で、革紐を一回しするたびに桃太郎の手首はくっくっと締め付けられ、宙を踊る革紐の先が、腕の内側の敏感な薄い皮膚を軽く打ちます。  桃太郎は縛られたまま平次に子種責めにされた時のことを思い出して、やにわに目がとろりとしてきました。自由を奪われ気持ちのよいことをされ続けるのかと、淫らな予感に空腹すら忘れるようです。  桃太郎のとろけた表情を見た赤鬼と黄鬼は、にやりとした意地の悪い笑みを初めて見せました。ただでさえ快楽に従順な美しい若者が、手を縛られて発情を露わにしているのです。思うさま嬲ってやりたくなるのが雄の(さが)というものです。  気分が盛り上がった様子の黄鬼は、桃太郎の肩をぐっと掴み、毛皮の敷布の上にそっと押し倒しました。桃太郎の背後にいる青鬼は、下敷きになる桃太郎の縛られた両腕が痛くないよう、毛皮を寄せて包んでやります。  しかし、鬼たちが優しかったのはそこまででした。青鬼は桃太郎の顔の横に座り、興奮の溜息を漏らす桃太郎の唇の端に、いきり立った摩羅を押し付けました。 「モモタロサン 尺八、ネ。喉の奥突いてホシカッタラ アシヒライテ」  桃太郎に否やがあるはずがありません。横を向いてぱくりと青鬼の摩羅の先端にかぶりつくと、膝を立てていた両足を惜しげもなくぱっかりと開きました。その恥じらいのない様子に鬼たちは忍び笑いを漏らします。黄鬼と赤鬼は桃太郎の左右に腰を下ろし、桃太郎の両膝を大きな手で掴んで更に割り開きました。  常に摩羅と共に生きてきた桃太郎は、己の摩羅を晒すことにも何の逡巡もありません。しかし、このように大きく開かれては尻の(あわい)まで見えてしまうと、さすがに頬に朱が上ります。  人の(ことわり)の外にある桃の精にとって、菊座は不浄の穴ではありませんでしたが、桃太郎は人と共に暮らしてきましたので、衆目に晒してはいけない恥ずかしい場所だという意識はさすがに身についておりました。しかし、口に含んだ青鬼の摩羅を離したくなくて、まともに文句が言えません。 「イタカッタラ イッテクダサイ」「モモタロサン イタイノモ スキ?」  黄鬼が気遣い、赤鬼がからかうように聞きながら、二匹は桃太郎の膝を折り曲げさせます。何をされるのだろうと思っていると、桃太郎の足は伸ばせないように革紐で膝下と太腿をまとめてぐるぐる巻きにされ、ぐっと力を入れて縛り上げられてしまいました。拘束された両足を胸につけるように押し上げられると、桃太郎の体重が後ろ手に縛られた腕に乗り、尻がぐっと持ち上がります。  天幕の内を照らす蝋燭の炎がゆらゆらと揺れ、桃太郎の尻の狭間をちらちらと照らしていました。炎によって明らかにされた桃太郎の菊座は、数え切れぬほど摩羅を咥えてきたぼってりとした唇とは異なり、楚々とした様子で慎ましやかに閉ざされております。そこをじいっと見つめる黄鬼と赤鬼の視線を感じ、桃太郎は菊座がひとりでにぎゅうと窄まるのがわかりました。  ――うぅ、鬼相手とはいえ、このような場所を見られるなど……!  羞恥に惑う桃太郎ですが、それでも青鬼の摩羅からは口を離しません。なんという摩羅への執着でしょうか。それどころか、顔を横に向けた不自由な体勢のまま、更に深く摩羅を飲み込もうといたします。しかし、天を突く角度とその大きさに、なかなか喉奥まで届きません。 「おふ、おふひ……!」  桃太郎は塞がった不自由な口で『奥にくれ』とせがみますが、青鬼はゆるゆると腰を使って桃太郎の頬の内側の感触を楽しむばかりです。意地の悪いことに、あえて喉を突かぬようにしているのは明らかでした。  桃太郎がもどかしさに切なく眉根を寄せると、青鬼は悪戯めいた様子で目を細めます。そして、腰をゆっくり動かしながら、爪の先で桃太郎の両の乳首を軽く引っ掻きました。 「ふうん」  桃太郎は口を摩羅で塞がれたまま、鼻に抜けた声を上げます。そのまま触れるか触れないかという微かさで青鬼がかりかりと乳首を引っ掻き続けると、桃太郎はびくびくと体を震わせながら、赤鬼と黄鬼の目の前で摩羅から桃の香りのする滴をわずかに溢れさせました。  ――はよぅ、はよぅ喉を摩羅で突いておくれ……!  桃太郎はもどかしさに腰を揺らしましたが、黄鬼が「モモタロサン 甘露デルヨ ダメデショ」と笑って咎めます。そして惨いことに、桃太郎の摩羅に細い革紐を巻き付け始めました。
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