桃太郎異聞(加筆修正版)

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 息継ぎさせようとたまたま青鬼が口から摩羅を外していたため、桃太郎の悲鳴が天幕に響き渡ります。叫びは悲痛でしたが、しかし、明瞭に艶を帯びておりました。そのことに桃太郎自身が一番戸惑います。尻穴から鬼の摩羅を引き抜かれ、言い表せぬような快美を得たのです。  体の内側から菊座を押し広げられるのは、排泄の経験がない桃太郎にとって初めて味わう種類の強烈な感覚でした。極めて敏感な菊座の裏側の肉が、傘の引っ掛かりを如実に感じ取ってしまったのです。しかも、自分の意思とは関係なく押し広げられ、引き抜かれてしまいますので、そこには排泄と似て非なる強烈な羞恥がありました。  摩羅を引き抜かれたばかりの菊座は、快感に息をするようにひくつきますが、窄まり切らないせいで冷たい空気に触れて、身は心許なく震えます。桃太郎は叫び出したいような混乱に飲み込まれました。 「菊が……! 私の菊座がっ……!」  泣きそうに顔を歪め、誰にとも無く訴えます。初めての強烈な快感を強いられた上、閉じているべき、いいえ、空洞の存在すら意識したことのなかった場所が開き切ってしまっているのですから、桃太郎が脅えたのも無理はありません。 「腹が、腹が寒いっ」  訴えは悲痛でしたが、桃太郎の摩羅をしゃぶっていた赤鬼はにやりと笑いました。 「気持ちいいデショ アマイノ モレテル」  言葉の通り、玉ごと縛られた桃太郎の摩羅は、甘露の雫をとろりとろりと漏らしておりました。多少なりとも心配そうな顔をしていた黄鬼もそれを確認し、安堵の息をつきます。 「ナァンダ。 モモタロサン 摩羅ヲ菊座カラ ずぽんっテサレルノ スキネ?」  黄鬼の指摘に、桃太郎は反射的に「違う!」と叫びました。気持ちよいのは良いことだと素直に思って生きてきましたが、尻の穴から摩羅を引き抜かれるのが気持ちよいというのは、ひどく恥ずかしいことのような気がして仕方がないのです。 「違う、私は……あぁぁーっ!」  言い訳しようとする桃太郎の言葉は、甲高い悲鳴へと変わりました。黄鬼が再び摩羅を桃太郎の菊座に突き込んだのです。相も変わらずその大きさは、線の細い桃太郎にとって身に余るものです。しかし意外なことに、暴かれた空洞が埋められたことで、桃太郎は心ならずも安堵を覚えたのでした。 「あ……あぁ……」  唾液と青鬼の先走りに濡れた桃太郎の唇から、溜息まじりの婀娜(あだ)な声が漏れます。じっくりと拓かれた肉の(ほら)は、黄鬼の摩羅を不規則な調子で締めつけました。 「スゴイデス ぎゅう ぎゅうぎゅう ッテナルデス。 摩羅 気持ちいい」  黄鬼ははぁはぁ息を切らしながら、うっとりと桃太郎の恥ずかしい場所の動きを味わいます。桃太郎の首の上に跨っていた青鬼は、濡れ光る己の摩羅を桃太郎の顔の前で扱きながら、目を輝かせて言いました。 「モモタロサン 摩羅ずぽんっノトキ イイカオ! モットミセテ!」  黄鬼の巨大な傘が引き抜かれたときの桃太郎の表情を、特等席で見ていたのが青鬼です。天人もかくやといった端正さが尻姦に歪むのは、雄の本能を刺激する光景でした。 「マッタク オマエバカリ。 ワタシモ ミタイゾ」  桃太郎の乳首と摩羅の愛撫に努めていた赤鬼が、ぶすりとした顔を上げます。年若い青鬼はさすがに申し訳なく思ったのか、桃太郎の上から退き、顔の横に座りました。赤鬼も桃太郎の股間から離れ、顔の横に座ります。そうして二匹の鬼は、目を輝かせて桃太郎の顔を左右から覗き込みました。 「×××サマ ずぽんっ ドウゾ」  青鬼が、酒でも勧めるかのような明るさで黄鬼を促します。桃太郎は頬を引き攣らせ、嫌じゃ駄目じゃと首を左右に振りました。けれど、根元を縛られた可憐な摩羅は、知ったばかりの強烈な快感を期待してふるりと揺れ、甘露の雫をつっと垂らしてしまうのです。  摩羅を桃太郎の菊座に収めたままじっとしていた黄鬼は、快感と興奮に荒い息をつきながらも、にっこりと笑みました。 「イザ マイル」    黄鬼は桃太郎の中にしっかりと埋めていた摩羅を、ずるずると引きます。そして極端に開いた傘が菊の輪に近づくと、わざと輪の内側に一度引っかけ、窄まろうとする抵抗を楽しみながらばっと引き抜きました。  じゅぼひゅっ 「やああああっっ」  先程深く穿たれた空洞のせいで、桃太郎の尻穴からは粘度の高い音と同時に、狭い場所から空気が抜ける、間の抜けた音がいたしました。桃太郎は衝撃と快感と羞恥に悲鳴を上げて、必死で菊座を閉じようとしますが、巨大な摩羅で広げられた菊座は、やはり緩慢な速度でしか窄まっていきません。そこへ再度、黄鬼が摩羅を捻じ込み、またすぐに引き抜きました。  ぶじゅん  ぼひゅっ  ぶじゅん  ぼひゅっ  聞くに堪えない音をさせながら、張り出した巨大な先端だけが、何度も桃太郎の菊座の浅いところを出入りします。 「ひいっ! いやぁっ! いやあぁっ! やめておくれ! 助けておくれ!」  何度も菊座を抉じ開けられ、敏感な場所を引っかけ擦られて、おまけに自分の尻が耳を塞ぎたくなるような恥ずかしい音をさせているとなれば、桃太郎ももう正気ではいられません。いつもの余裕は跡形も無く、みっともなく許しを請います。しかし縛り上げられ手足は自由にならず、甘露を出す終わりも許されないのです。もう、腰をがくがくとさせながら、身も世もなく悲鳴を上げ続けるしかありません。 「いやぁっ死ぬぅ! 尻が閉じなくなってしまうぅっ! あひぃっ!」  桃太郎の訴えは切羽詰ったものでしたが、痛みを訴えているわけではないことは明白です。出し入れを繰り返されるうちに菊座は苦痛をすっかり忘れ、強烈な快感ばかりを拾ってしまっております。桃太郎はいつまでも抗い続けることができなくなり、次第に「あぁっ、ああっ」と甘い声を上げ始めてしまいました。  当然、桃太郎の神通力は加速度的に高まります。黄鬼は己の摩羅に注ぎ込まれる不思議な力に身を委ね、思うままに敏感な摩羅の先端を出し入れしました。 「あぁっ! あひぃっ! 嫌じゃっ! 阿呆になるぅっ!」  乱れる桃太郎の顔を覗き込む青鬼と赤鬼も、たまらない様子で己の摩羅を扱いています。桃太郎は、中身はともかく見た目だけは傾国を謳われるような美青年ですので、むくつけき鬼に尻を犯されて善がる姿は、それだけで垂涎ものです。黄鬼も、摩羅で味わう快感に加え、桃太郎の淫らな表情に煽られて、あっけなく上り詰めてしまいました。 「モ、モモタロサンッ! モモタロサンッ!」  咆哮と共に、遂に黄鬼が耐えかねたように子種を吐き出します。傘だけを菊座に納めた状態で、勢いよく飛び出した大量の子種は、時間をかけて押し開かれた桃太郎の肉筒の内部を駆け上がり、逆流し、たっぷりと内部を満たしました。  つまり、飲みたいとあれほど待ち望んだ鬼の子種を、桃太郎は腹の中で味わうことになったのです。
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