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空の向こうで、厚い雲の切れ間から何本もの光の帯が真っ直ぐに地上へとのびていた。 美しく、幻想的で、輝き、触れることのできない光だった。 その光の中を、真っ白な鳩がくるくると舞い踊りながら、雲の中へと消えていった。 『私も登れたらいいのに』 彼女は天使になったのだ。 青年はそう思った。 ひとすじの涙が、彼の頬をつたった。
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