ぼくは洋服屋さん

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ぼくは洋服を作っている。 いつものようにキラキラした眩しい朝日で目が覚めた。白いシャツを着て、黒いズボンを履く。これはぼくにとって仕事に行くための"制服"のようなものだ。なんだか気分がしゃっきりする。 仕事場は家から歩いて少しの所にある。 赤いポストの家を通り過ぎ、バラの小道へ入って行く。 ここでいつものように耳の垂れた犬を散歩させている男の人と会って挨拶をする。仕事の日は毎日会うのに未だに名前を知らない。 ぼくは密かに"ジェフ"と名付けている。 一応言っておくと犬の方ではない。 赤毛のふわふわした髪とはにかんだ笑顔がなんとなく"ジェフ"という名前にぴったりだと感じるのだ。 バラの小道を抜けると洒落た白い家が建っている。その家の隣の隣のこぢんまりした"洒落てない方の"建物がぼくの仕事場だ。 小さく出た看板と青いドアが気に入っている。
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