呪われた勇者の伝説

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 私は勇者だ。選ばれた人間なのだ。仲間たちとは違う。そんな私が・・。しかし闇になるのは・・・。 「勇者よ。闇の正義を為すがいい。それともここで朽ち果てるか?」  勇者の心が闇の色に染まる。手にした剣も黒々と闇に沈んだ。その暗黒の剣を振りかぶり、立ち尽くした仲間たちに襲いかかった。  頭からはメキメキと三本の角が生え、見上げるほどの背丈になった。巨人が幅広の黒い剣をかざし、恐ろしい声で咆哮する。大気が振動し、周囲の木々が根こそぎ押し倒される。長い鉤爪をぶら下げ、蹄のある足で逃げ回る人間を踏み潰す。  それが勇者アル・ガイックの変わり果てた姿だった。
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