0人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
海底の貝のその中が
君の目には見えている
君はすごいね、
僕達には見えない世界が見えているんだ、
それはどんなに不思議で美しいだろう、
君が見て語る世界が大好きだよ、
君が大好きだよ
貝の中には真珠があるだろう
それは君だけのものだよ
どんな光彩を放つのか
僕は想像してみるよ
「なれるのよ、
愛し愛されれば幸せになれるのよ、
どんな物語だってそう、
私の描く物語だってそう、
それでハッピーエンド」
自己ある自由な僕達が
一つの箱に入ったなら
嫌ったって見下したっていいんだって
僕が諭したその通り
嫌って見下していくんだろうか
海底の貝のその中が
君の目には見えている
否、その中の真珠こそ
君の本当の眼球なのかもしれない
ゆっくりと塞がれていく
洞穴のような黒を見て
僕は囁くよ
君が大好きだよ、
だから撤回するよ
君が大好きだよ、
君が大好きだと言ったのは僕なんだよ、
僕なんだよ、
僕なんだよ、
僕なんだよ、
……
君が大好きなのは、僕なんだよ
最初のコメントを投稿しよう！