願い

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願い

「大悟...見てっ!  俺達の体、元に戻ってるっ!」  抱き締められたまま、木内の言葉で目を開いた。  すると視界の先に居たのは、コイツの言う通り、金髪碧眼王子な木内で。  ...優しく微笑むその表情に、一瞬だけドキッとした。 「...ホントだ。」  コイツから体を離して起き上がり、ペタペタと自分の体を触り、確認する。 「良かったぁ...、一生あのままかと思った。」  緊張が緩み、がくりと落ちる肩。  クスクスと笑いながら、再度俺の体を抱き締める木内。  さっきまでとは違い、全身を包み込まれるような優しい抱擁に、ドキドキする。  そんな俺の事を見下ろし、木内は口元を片手で覆うと、小さく呟いた。 「器なんか何でもいいって思ってたけど、やっぱこっちのがいいな。  ...大悟、可愛い過ぎてヤバい。」  そのままクンクンと鼻を俺の首筋に押し当て、匂いを確認する木内。  ...やっぱコイツ、犬だろ。  そっと彼の髪に触れると、それは想像した以上にフワフワで、艶々で。  その柔らかな質感に酔いしれ、うっとりと頭を撫でた。 「...結局俺ら、何で入れ替わったんだろうな。」  髪から手を離し、木内の大きな背中に腕を回して呟いた。  するとコイツは前に同じような事を言った時同様、挙動不審な感じで視線をさ迷わせた。 「...木内くーん?  やっぱお前、原因わかってんだろ。」  再び体を引っぺがし、にっこりと微笑んで聞いた。  すると木内は情けなく眉尻を下げ、またしても飼い主に叱られたワンコのような表情でちろりと俺の顔を見下ろした。 「...絶対に、怒んない?」  その聞き方があまりにも情けなくて、そして同時にあまりにも可愛くて。  俺はつい、吹き出してしまった。 「もう戻れたから、怒んねぇよ。  だから、言ってみろ。」  木内はすぅ...っと大きく深呼吸をして、半泣きのまま俺の事を見下ろし、ポツリと小さな声で言った。 「たぶん俺が、神様にお願いしたせい。  ...大悟の心が、欲しいって。」  その答えを聞き、俺はもう一度ブハッと盛大に吹き出した。 「お前...マジでふざけんな。」  真っ赤であろう顔を見られたくなくて、今度は自分から木内に抱き付き、胸に顔を埋めた。 「...でも、叶った。  神様、すげぇっ!」  顔を上げると木内が、さっきまで泣きそうだった癖に、子供みたいに無邪気な顔をして笑ってた。 「...それと、ごめん。  俺やっぱ、欲張りかも。  心だけじゃなく、大悟の体も欲しい。」  甘く囁かれ、耳を食まれて。  ...抵抗する間もなくキスで唇を塞がれ、そのままそっと床に押し倒された。
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