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3章 迷鬼
17時中央線下りN駅ホームスマフォを持った若い女性が真っ直ぐ線路へ向かって歩き、
走って来た電車に頭をぶつけた。
「ゴーン」
鈍い音を立てると胴体から潰れた頭がホームをサッカーボールのように
転がった。
「キャー」
あちこちから悲鳴がきこえ、頭の無い胴体は首から激しく赤い血を噴出させていた。
翌日、郊外の駅からスマフォを見ながら歩いていたサラリーマンを見ながら
信号が赤にもかかわらず横断歩道を歩き
走って来たトラックに轢かれ頭が潰れ眼球が横断歩道の前に立っていた
男の顔に眼球が当たった
「あわわわ」
翌日、自転車にスマフォ付け宅配をしていた男が車の間を
すり抜けていた。突然前の車がハザードランプを付けると
男はその車を避けて反対車線に出た。
男は向かいから来た車にぶつかり宙に飛ばされた。
「ドン」
男が道路に落ちると後続車男の頭轢いて行った。
「ぶっちゅ」
頭蓋骨が潰れ脳みそが散らばっていた。
この事件が関連性があるとはまだ誰も知らなかった。
「夜野さん、誹謗中傷した人間がわかりました」
事件から1週間過ぎて礼司の元に浜田から連絡があった。
「ありがとう、リストを送ってくれ」
「リストにどうするんですか?恐喝とか犯罪は行けませんよ」
「大丈夫、運が悪くなるだけだ、殺すわけじゃない。犯罪じゃないだろう」
「はあ、犯罪じゃないですね・・・」
「これをやらないと又同じような事件が起こるぞ!」
「わ、わかりました」
同じくジャパンテレビの水野から連絡があった。
「夜野さん、三田ひろ子さんの自殺、三田一郎さんの自殺調べました。
一郎さんはいじめの調査を学校と教育委員会に依頼したそうですね」
「うん、そうらしいでも無かった事と処理された」
「はい、こちらも校長と担任に自殺の件で取材を申し込んでいますが断れました」
「こちらから強く言えばこっちがいじめた事になるな」
「そうですね」
「わかった、ありがとう」
「諦めるんですか」
「いや、取材を承諾させるよ」
「はあ」
礼司は2時過ぎに杉並にある杉並平和女子高の
担任の田沢夏雄の家の前に車を止め
目を閉じた。
礼司の心は田沢のマンションのエレベーターに乗り3階で止まり
305行室の前に立ってドアを通過し田沢の枕元に立った。
「夏雄さんあなたの罪は三田ひろ子さん無念を果たせなことだ・・・」
夏雄は急にうなされ始めた。
礼司は乗務のある日もそれ以外の日も夏雄の枕元に立った。
そして5日後、水野から電話が有った。
「夜野さん、担任の先生ボカシを入れるのを
条件で取材を受けてくれるそうです」
「そうか、良かったな。後は頑張ってくれよ」
「はい」
その後、校長も取材を受ける事になりいじめの実態を暴くことになり
6人のひろ子をいじめた同級生がいる事が明らかになった。
「さてやるか50%の0、墓参りに来るまで許さねえぞ!」
礼司はパラレルワールドの三人が一人になって力が増していた。
「三田さん、約束は果たすから勘弁してくれよ」
礼司は空を観て魔美に言われた祈りを施した。
その日から、誹謗中傷をした13人、いじめをした6人には
究極の選択がすべて間違う呪いをかけた。
全てのじゃんけん負ける、準急と急行選んだ方が必ず遅れる、
選んだ食べ物はまずい、道に迷って選んだ道は全て方向違い
本人が気付くには時間がかかるが縁起や呪いを信じる
若い女性には恐怖しかない。
それから間もなく田中から連絡があった。
「夜野さん、今運転手仲間に地獄タクシーを探している
若い女性が居るらしいんです」
礼司は知っていた自分を求める人が有れば必ず地獄タクシーに乗る事を
新宿歌舞伎町の入口、ドン・キホーテの向かいの信号で礼司は青ざめた
顔の女性を見た。
「どちらまでですか?」
「荻窪駅へお願いします」
女は体を震わせていた。
「かしこまりました」
「あのう、運転手さん地獄タクシーって知っていますか?」
「知っていますよ」
「どうやったら会えますか?」
「どんなご用件ですか?」
「私運が悪いんです、とても悪いんです」
女性は顔を隠して泣き出した。
礼司はそれを聞いて間違いなく例の女性だと判った。
「三田ひろ子さんの知り合いですね」
突然、ひろ子の名前を言われて女性の震えは止まる事は無かった
「は、はい」
「さっきひろ子さんが自殺したトーホーの脇に行ったんですよね」
「はい」
「わかりました、巣鴨に行きましょう」
「巣鴨?とげぬき地蔵?」
「いや、染井霊園です。三田ひろ子さんのお墓に行きましょう」
「えっ?本当ですか?」
「はい」
その女性は反省しすっかり呪いから解放され
元気になって帰って行った。
「いじめはいけない、人をいじめればいつか自分に返ってくる」
礼司は22時から赤坂にいて先日見た佐藤恒造の車を見かけた。
「あのナンバー、佐藤代議士の車か・・・」
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