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秀子は気になって二つの事件をネットで調べ
秀子の顔色が変わった。
そこには二つの事件が詳細に載っていて斉藤敏夫・・・木村太郎・・・
忘れる事の出来ない名前が載っている。
「偶然だよね・・・」
自分に何度も言い聞かせた。
「秀子、今のうちにお風呂入ったら」
「はーい」
服を脱いでお風呂に入って体を洗った。
「あら」
湯船に入って自分の膝から下が異常にかゆかった。
掻けば掻くほどかゆみが止まらず、何度も何度も掻いているうちに
掻き跡が赤くなってきた
「やだ、やだ。気持ち悪い」
秀子は慌てて風呂を出て足にクリームを塗った。
礼司のタクシーは秀子の家の前に止まった。
「魔美、もう鬼退治の時間過ぎているぞ」
「早くしないと・・・」
「でも、どうやって家に入る?」
礼司と魔美は佐藤秀子の家を覗いた。
「このまま鬼の世界に入って入り込むしかないわ」
「ガラスをたたき割って入るか?」
「うん」
「魔美、大事な事忘れた」
「何?武器はなんだ?」
「無い、今回は三田さんお父さんの依頼だから」
「・・・しょうがねえな」
礼司は鬼の根付をポケットから取り出した。
「さあ、鬼退治の時間だ、ちょっと過ぎたけど」
礼司が念じようとした瞬間、目の前を黒い高級車が止まり
運転手が車から降りてドアを開けようとしていた。
「おやじが帰って来た」
礼司は車のナンバーを控えた。
「何やっているの?」
魔美に秘密にしている自分の過去を言えず答えなかった。
「魔美、おやじが玄関を開けたらその瞬間に入るぞ」
「わかった」
ドアを開け国会議員佐藤恒造車を降り玄関に歩いていた。
「今だ!」
礼司がノブを握るとタクシーが金色に輝いた。
「行くぞ!」
「はい」
佐藤恒造がドアを開けた瞬間に礼司と
魔美が隙間から飛び込んだ。
「やった!」
※礼司たちが鬼のノブで移動する世界はパラレルワールド(もう一つの世界)
の間にある鬼のいる世界でそこにいるのは鬼と呪われている人間である。
「秀子さんを探せ!」
礼司と魔美は二階の秀子の部屋、夫婦の部屋、リビング、トイレを探した。
「いない、いないぞ!」
礼司は見つからない秀子が鬼の対象でないと不安になっていた。
「ヤバい、ヤバいぞ」
「ここしかない」
礼司と魔美が風呂場の前に立った。
「魔美、頼む彼女を風呂から出してくれ」
「わかった」
魔美が念じると目が赤く光り秀子が風呂から出てきた。
「見ちゃダメ!」
秀子は操られたように体を拭き部屋着に着替えてリビングに
立った。
するとサッシのガラスがガタガタ音を立て始めた。
「おいおい来たぞ」
礼司は秀子を抱きかかえてソファーの後ろに隠れると
ソファーにガラスが突き刺さった。
「キャー」
秀子は目見知らぬ男に突然抱かれて悲鳴を上げ
身体をバタつかせた。
「ちょっと大人しくしてくれ」
礼司が体を抑え魔美が秀子の手を握ると
秀子が大人しくなった。
「秀子さん、木村太郎と斉藤敏夫が死んだの知っているね」
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