1章 眼鬼

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「OK、じゃあお墓に行こう」 礼司は魔美が出入りしていた墓の前に行った。 「魔美、この墓が壊れてこっちへ来れなかったんだよな」 「ここは私の能力があるから使えるの、誰でも通れるわけじゃなわ。  三人とも無理だと思う。バイバイ」 魔美は墓の前に立ち手を振ると姿を消した。 「消えた!」 三人は礼司の言っていた事を本気で信じていた 「俺たちも帰りたいです」 礼司は腕を組んで考え込んだ。 「ここは無理だから俺にタクシーに乗ってくれ」 礼司は三人を車に乗せた。 礼司は三人を乗せて運転席で腕を組んだ。 しばらくすると後ろから声が聞こえた。 「夜野さん、ひょっとしたら寝ています?」 「い、いや。考えていたんだ」 「どうするんですか?」 「SSATの夜野礼二と魔美の父親は死んで俺と合体した、 俺はそのせいで能力が強くなった。俺の中には二人の記憶がある 思い出せ!魔美の父親の記憶」 礼司がそうつぶやくと魔美と由美の顔が次々に現れた。 すると目の前に神社が見えてきた。 「ここ、どこだ?」 礼司はつぶやくと振り返ってにっこり笑った。 「向こうの世界、近くに神社があるか?」 「はい、善念寺の隣に大鳥神社があります。  ほらさっき行ったお墓の向こうに 神社のあるんです」 「そう言えば彼女あんなところ歩いていたから神社の娘かもしれない」 「でも高校はミッションスクールだぜ」 「そうか・・・なんだかんだと言っても魔美の家も知らなかったんだな」 礼司は寂しい気がしていた。 「ふう」 礼司はため息をついて鬼の根付をチリンチリンと鳴らせ 目を閉じて、頭の中でイメージを膨らませた。 「もう一人の夜野礼司さんあんたの世界に行ってくれ」 三人を乗せてメーターのスイッチを押してアクセルを踏むと タクシーは金色に光った。 数秒後光が消えると礼司は後ろを振り返った 「はい、お待たせしました」 「走っていないじゃないか?」 魔美の腕を掴んだ梨田文句を言った。 「でも、元の世界に着きましたよ」 「確かに元の世界だ」 タクシーから降りた三人は周りを見渡して喜んでジャンプをしていた。 「夜野さん、本当に来れたのね」 暗闇から出てきた魔美が礼司に声をかけた。 「ああ、魔美のオヤジさんの力を借りた」 「ママに会っていく?会ってみたいと言っていたよ」 「いや、やめておく。仕事があるんでね」 礼司は自分の世界で死んだはずの由美に会うのが怖かった。 「そう、また来てね」 魔美は嬉しそうに手を振った。 「ああ、その前にやる事が出来たみたいだ」 礼司は空を見上げると月に照らされた真っ赤な雲が 渦巻いてゆっくりと降りてきた。 「来るぞ!」 礼司は栗原の前に立つと魔美の顔を見た。 「魔美!武器が無い」 「今日は何の準備もしていないわよ」 「鬼のノブも無いのか?」 「あるよ」 一度家に戻った魔美はノブを礼司に見せた。 「栗原君はタクシーに乗って残りの二人は善念寺に逃げろ! 早くしないと食われるぞ」 「は、はい」 二人が逃げていくと礼司はシフトを鬼のノブに交換をしていた。 「魔美、まだ11時前なのになぜ鬼が出る?」 「わからない。ママに聞いてくる」 魔美は走り出した。
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