紫陽花の甘露に黒猫の溜息

7/13
前へ
/13ページ
次へ
 その言葉に叶が驚きに瞠目したのが分かる。 「それくらい、好きだ――」  誓いの様な宣言に、ふわり。と。叶の纏う空気が花の色を帯びる。 「……穂咲」  叶は新しく、それぞれの元に来たグラスを一つ手に取る。 「良いんじゃない?」  穂咲の前に置かれたそれに、チンと再度合わせ微笑んだ。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

82人が本棚に入れています
本棚に追加