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ヴェロニカの言葉に、アレクサンドラ達や護衛の面々がハッとして息を呑む。
しかし、下手に口を挟んでジェラルドを刺激する訳にもいかず――沈黙の中、ヴェロニカの告白は続いた。
「元々、違和感はあったのです……わたくしのことを、評価して頂いたのは嬉しかったですわ。ですが、わたくしが守りたいのは我が家の領地と領民で……殿下の婚約者、あるいは妃になる場合、特定の領地を贔屓することは許されません。そのことに対する、謝罪でもあります」
「それは、婚約者候補を辞退したいと言うことかな?」
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