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季節は秋の始め10月とはいえ
アラスカのこの時期は日本の
真冬の様な気候だ。
夜間の気温は+3℃~5℃
吐息が白くなる。
紅葉のシーズンは9月で
終わりを迎えたが
アラスカ山脈の最高峰である
デナリ山の山頂付近には
雪が積もり、雄大な
大自然を愉しむ事が出来る。
しかし夜中は街灯も無く
辺りの風景を観る事は出来ない。
その代わりに亮太の頭上には
360度の星空が満天に広がる。
ペルセウス、カシオペア
アンドロメダ、ペガサス…
宿舎のベランダからは見えなかった
秋の夜空を彩る数々の星座が
光り輝いている。
「ペガサス座…子供の時に
1番好きだった星座だ」
勇者ペルセウスが怪物メデューサを退治して
首を討ち取った時に
飛び散った鮮血の中から生まれた天馬。
物心ついた時から星空を観る事が
好きだった亮太。
星座に纏わる壮大なギリシャ神話は
誰がどのようにして創ったのか…
遠い昔から知っていて
不思議と初めて聞いた話ではない様な
気がする…
幼心にそう思っていた。
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