僕は君を夢見てる

プロローグ

　
　人の顔を目視すると、その人の本心を見てしまう能力を、僕は持ってる。
そんなことを、格好つけながら言った訳でもないし、将又、右目を疼かせて言ったわけでもない。
それは、中学一年生くらいの頃だった。
突然、目視できるようになった。だから、きっかけもわからなければ、理由もわからないし、意味なんて尚更。
でも、僕が見るこの世界に思うこと。

「世界は偽りで完結してる」

ただ、それだけいいんだ。

「前置きはいいさ、話すよ」

こんな僕。こんな特殊な僕が、他の人間とは違う特別な君と出会った話だ。

一つ言っとくよ。

僕は君のことを好きだなんて思っていない。