<第三章:旅立ち>

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「グランツ・・・」 「通行証を手に入れることなど簡単なことです。それにしてもあの衛兵、助かりました」  グランツも内心ほっとしていた。ブリアトーレの直属の者ならもう少し足止めを食ったに違いない。もっとも、もしそうなっても切り抜ける自信はあったが。 「とりあえず、幸先が良いですなあ」 「ところで、これからどう行くのだ」 「ハ、まずはこのまま街道を行き国境地帯を抜けて、エルロン領内を通って西へ向かいましょう。クウの国は遥か彼方にて、情報があまりありませぬ。行く先々で情報を得ながら行くが良いかと」 「そうか、エスタシオともしばしの別れだな・・・」 「さあ参りましょう。急げばまだ日のあるうちにムールの町に着けましょう」  いざ西へ。  こうしてブライス=リリスの旅は始まった。
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