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今夜も五年記念日に彼と二人でディナーをする約束をしていた。
そのことを思い出して、仕事をしながら鼻歌を歌っていると、今年就職してきた後輩の一人が話しかけてきた。
「先輩、なんか嬉しそうですね。今日はクリスマスですけど、彼氏とどこか行く予定でもあるんですか?」
「まあね。…実は、今日五年記念日で、ディナーに行くのよ」
「そうなんですか!羨ましいです!まあ私にもちゃんと彼氏はいるんですけど、彼仕事でいつも忙しそうだから、なかなか会えなくて…。今日約束してなかったけど、誘ってみようかな」
「なんだ、一緒に過ごす人いるんじゃない。どんな人なの?」
そう聞くと、彼女は一瞬驚いた顔をした後、少しいたずらっ子みたいな顔をしながらこう言った。
「すごく優しくて、面白い人、ですよ。…もしかしたら、先輩の一番知っている人かもしれないですね。今日会う予定はなかったんですけど、先輩の話聞いて、会いたくなっちゃったので、ちょっと彼と電話してきますね」
彼女は嬉しそうに今にもスキップしそうな勢いで、彼に電話をかけにいった。
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