あるクリスマスの女の話

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自分の気持ちを再確認した後、ふと彼女の言い方に引っかかるものを感じたことに気づいた。 …私は彼女の彼に会ったことがあるのだろうか。 すごく優しくて、面白い人で、私が知っている人…。 一瞬、彼のことがよぎったが、気のせいだと思うことにした。 その時、私のスマホにメッセージのバイブ音が鳴って、彼のメッセージだと思い、見てみると、思った通り彼からだった。 今夜どこに食事にいくかはまだ聞いていなかったので、その知らせだと思ったが、違った。 それは、『今夜のディナーは、仕事で行けそうにない』という連絡だった。 楽しみだったが、仕事なら仕方がないと思い、『わかった、仕事がんばってね』というそっけない返事しか返せなかった。
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