1人が本棚に入れています
本棚に追加
次の町には、川がたくさんありました。
ざあざあときそって泳いでいく川。ちろちろと歩いていく小川。くるりと尾びれをじまんする魚、固そうなお皿を背中にのせて、岸辺で日向ぼっこをする小さな恐竜。
「どこから来たの?」
「となりのとなりの町だよ」
「どこへ行くの?」
「遠くへ行くんだ」
何があるかな、誰がいるかな。
帰りに休みにきてね、と子どもたちは干した魚をくれました。
「何をしに行くの?」
「遠くへ行くんです」
「遠くで何をするの?」
おじさんは首をかしげました。
大人たちも首をかしげました。
おじさんは手をふる子どもと、ひそひそ話をする大人に見送られて町を出ました。
最初のコメントを投稿しよう!