おみやげをあけたら

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次の町は、海の上に浮かんでいました。その次の町は、小高い丘の上にありました。その次の次の町は、山に囲まれてつぼの底のようでした。その次の次の次の町は、真ん中に大きな湖がありました。 おじさんはそうして、たくさんの初めてに出会いました。 たくさんの思い出でスケッチブックを彩りました。 それは暖かい日も寒い日も、嬉しい日も寂しい日も、おじさんの心をぽかぽかにしてくれました。 そしておじさんは思いました。 このぽかぽかを、みんなと分けあいたいな。 町と町のあいだ、山の上。 おじさんはみんなの顔を思い出しました。 まんまるの月を見上げながら、おじさんは旅を折り返すことに決めました。
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