タイトル不明

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白い息が出るようになった11月 私はまたイヤホンで耳を塞いだ 電車を待つ人ごみの中 私は1人呟いた 「生きるのが辛い。」 そう思うようになったのはいつ頃だろう。 きっと、小学四年生の頃。 母が家を出ていき、いなくなった日からだ。 その頃私は捨てられたと思っていた。 幼少期から怒り気味だった母。 髪の毛を引っ張られて 背中を蹴られた記憶さえある。 だけどその頃の私はそれを虐待だとは思っていない。 そんな母に家出をした後に会う機会があった。 また怒られるのかと思っていた。 だけど違った。 母はとても優しくなっていた。 家を出ていったことを謝られた。 「1人残してごめん。」 許すとか、許さないなんて その頃の私にはわからなかった。
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