扉の向こう

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『世界は広いよ。』 包むように優しく私の手を握るその手は、暖かい。 『どんなことがあっても、キミはキミのままでいいんだよ。』 私はどうやって生きていけばいいの? 世の中には辛いことが多すぎる。 それなのに あなたは私に、何をさせたいの? 何を望むの? 『繋いだキミの手を離さない。』 『だから、笑ってよ。』 手を離さないなんて、信じられるわけがない。 私には、そんな資格なんてない。 でも、でも・・ ありがとう・・ 凄く嬉しい。 『キミの手を離さない。』 ・・信じていいの? 『キミの手を離さない。』 本気なの? 『一緒に虹を見よう』 私は、扉の向こう側の世界に、一歩だけ飛び出した。 外の景色、 外の空気が私の心と身体を洗う。 僅かな雨音 小鳥の囀ずり 柔らかい陽の光 雨の後の澄んだ空気の向こう側に、光る虹がそこにあった。
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